映画・映像業界の暴力行為・ハラスメントに断固反対します。
私は、映画・映像制作の現場におけるあらゆる暴力行為に反対し、お互いの人格を尊重する、ハラスメントのない環境作りに努め、作品を共にするパートナーにも同様の意識を求めます。
昨今、映画監督や有名俳優の性加害が次々と告発されています。加害者には適切なペナルティを、被害者には十分なケアがされることを、強く望みます。
同時に、これまで業界に蔓延していた暴力行為・ハラスメントにも、厳しい抗議の目が向けられています。ここで悪しき慣習を終わりにできなければ、そんな業界に未来はないでしょう。
私自身においては、現場で声を荒げることや立場を利用した強要など決して無きよう、日頃から心掛けて活動してきました。しかし、自らの立場が持つ優位性・暴力性については、深く考えたことはありませんでした。これは、フリーランスであることや、まだまだ現場経験が浅いことから、常に自分を低い立場の人間だと思っていることもありますが、やはり監督・ディレクターである以上、その言動に何かしらの圧力が帯びる可能性があることを、肝に命じなければなりません。立場ある者ほど人格者でなければ。
そして、現場レベルでは、スタッフ間のハラスメント(叱責・罵倒・小突き・蹴り等)は幾度も目撃してきました。かつての私は(恥ずかしいことに)自分のことに精一杯で、現場を改善しようとまで考えが至りませんでした。しかし、もうそういう時代ではありません。ハラスメントは、自分がしないだけではなく、意識して排除しなければなくならないのだと思います。
最近では、スタッフ編成時に、第一に「自分の信頼しているスタッフ起用の検討」、第二に「ハラスメントをする人は起用しないこと」をお願いしており、世代が移り変わっていることもあると思いますが、健全な現場に恵まれています。今後も、クライアント・制作会社・スタッフ・キャストとよく話し合い、より良い作品作りの形を考えていけたらと思います。
私は、映画・映像業界の暴力行為・ハラスメントに断固反対します。お互いを尊重し、誰もが健全に働ける環境を望みます。それが素晴らしい作品に繋がる第一歩だと信じています。
庭月野議啓